フリースクール事業

この広い世界には、いろんな人がいます。ひとりひとり、みんなちがいます。
どんなことが好き?
どんな時に楽しいって感じる?
興味のあることは何だろう?

苦手なことや得意なことも人それぞれ。
だから、ふつうの学校に合う子もいれば、合わないなぁという子もいるでしょう。
それぞれのペースもありますね。

イホルラ舎のフリースクールでは、「ひとりひとりが安心して自分でいること=ごきげん」をめざしています。
それは、こどもはもちろん、保護者、スタッフ、ボランティア関わる人すべてのごきげんです。

そのために、ここでは、いろんなものをつくります。
絵をかいたり、木工などのものづくりはもちろん、人との関係や、ルール、まなび方……
つまりフリースクールそのものをみんなで相談してつくっていく。

さらに、自分らしく生きていく方法や、さまざまな考え方、その先の仕事や未来も。

こんな風だったらいいのになぁ。
こんなのがあったらいいな~。
思うだけではなくて、つくってみよう!
ひとりでは難しくても、なかまがいます。

ここは「まちのがっこう」のフリースクールとして、「ありのままの自分」を大切にする、まなび・あそびの場です。

 スクール概要

対象

オルタナティブスクールへの選択登校を希望する児童・生徒、または不登校のこども(小学生~19歳くらい)

開校日

月曜、火曜、木曜、金曜(祭日はお休み)
9:30~16:30
※2025年4月より週3→週4になりました。

出席認定

現時点で、所属学校への「出席扱い」を希望するこどもはすべて認められています。※詳しくは「よくある質問」に記載しています。

勉強タイム
人気の巨大トランポリン
ものづくりの環境は整っています
ミーティング風景
卓球できます
サーカス観劇の遠足

 一日の過ごし方

09:30- オープン。各自登校
10:00- 朝の会。主にその日の活動内容の確認をします。
10:30- 午前の活動
12:00- 昼食。自由時間
13:00- 午後の活動
15:15- 掃除
15:30- 終わりの会
15:45- 自由時間
16:00- 解散。電車の時間まで自由時間(16:30クローズ)

 イホルラ舎のフリースクールはこんなところ!

自分のことは自分で決める

ここは「誰にも強制されることなく自分で決める。そして、決めたことには責任を持つ」ところです。

ここには決められた時間割はありません。自分のしたいことを存分にできます。あそんでもいいし、休んでもいい。学習をしてもいいし、自分の探求したいことをしてもいい。その活動におとなが評価をつけることをしません。

こどもたちは「自分のままでOKなんだ!」と感じてくると、生き生きと自分のことは自分で決めて行動しはじめます。スタッフやボランティアをはじめとするおとなたち、こどもたち同士の関わりの中で、新しい世界のとびらも開いていきます。

また、責任を取るということは「自分で納得して選んだ結果を引き受けること」です。失敗してもOK!悩んでもOK!という安心できる場だからこそ向き合えるのです。

みんなのことはみんなで決める

ここは大人がこどもを管理するところではありません。
みんなで「スクール」をつくり上げていきます。

楽しいことも面倒なことも決めていきます。「こんな教材を買いたい」「こんな体験をしたい」「ルールを作りたい」「ゲームをしたい」などを提案し、やってみることができます。ルールや過ごし方など変更できないものは何もありません。もちろんみんなで決めるので、自分の希望がすべて通るわけでもありません。でも対話することで、みんなが納得して進んでいきます。

学校では一言もしゃべらなかった子がミーティングで自分の意見を言ったり「〇〇されていやだった」と終わりの会で発言するようになります。自分の話をきいてもらうことと人の話をきくこと。それを重ねていくと、お互いの理解も深まり、自分自身のことも知ることができます。その上で、どうするか。ぶつかったり、葛藤したりしながら、許したり、みんなで編み出した新しいアイディアで乗り越えたり。こどもたちのやわらかな創造性が発揮されます。結果としてかけがえのない1日をつくっていきます。

「まちのがっこう」のフリースクール

当スクールは、「まちのがっこう」の中のフリースクールです。いろんなおとなに出会います。

専門性や職業に関わらず、色んな人生を生きてきた多様なおとながこどもと出会うことで、こどもにとっての新しい世界を知るきっかけになります。
「先生から生徒へ」や「おとなからこどもへ」という一方向的な関係ではなく、「人と人」という有機的なつながりの中で生まれるもの、紡がれていくものがあります。
それは地域や家族の関係性が大きく変化した現代において、ひとつのコミュニティとしても機能しはじめています。
ここは「社会に出るための準備をするスクール」ではなく「社会の中でまなぶ」スクールです。

 利用案内

入会は随時受け付けています。

入会金

¥10,000

会費
  • フリーパスコース(週4日いつでも利用可能)
    4万円/月(調査協力費※1万円差し引き 実質ご負担3万円)
  • 週1日コース(月5日まで)
    2.5万円/月(調査協力費※1万円差し引き 実質ご負担1.5万円)
  • 2025年4月現在、和歌山県の保護者には「フリースクール等に通う不登校児童生徒調査研究事業」への調査協力を行った場合、児童生徒一人につき、1ヵ月当たり1万円の支給があります。
  • きょうだい割引あり
活動費預り金

¥20,000/年
(年度末に精算)

 入会の流れ

見学

お申込の上、開校日に見学にお越し下さい。見学は概ね1時間ほど想定しています。

入会前体験

入会前体験を3回していただきます。入会前スクール体験:¥5,000/3回

面談

本人の入会の意思確認および、保護者面談にてスクールへの受入可否を決定します。
事前にフリースクール利用規約をご確認ください。

入会手続き

入会申込書への記載、入会金などの納入を経て、入会となります。


 メンバーの声

学校の担任と合わず心身共に荒れ、不登校になったこどもがお世話になっています。
最初は周囲を困らせたり揉めたりもしましたが、数ヶ月後には言動も表情も穏やかになり、元の明るい子に戻りました。もう感謝しかありません。
自分の思いを相手にどう伝えるか、みんなが楽しく過ごすためにはどうすれば良いか、どうしてケンカしてしまったのかなどなど、こども同士がきちんと向き合って話し合い、信頼関係が深まっているように思います。
小学生の保護者

 よくある質問

生活・活動について

Q 過ごし方をこども達に自由に決めさせて大丈夫でしょうか。

A:このスクールは「ごきげん」に過ごすこと、その上で個々の社会的自律/自立を目指しています。また、人は必要なことは自ら学び続ける存在であると考えています。

ここにはいろんな子が集まっていますので、それぞれが影響し合います。勉強したくなる子もいれば、ダンスをしたくなる子、船を作りたくなる子……。逆に集団であるからこそ、それぞれが好き勝手に過ごすことが難しい側面もあります。また「自由」に慣れず、何をしたらいいのか分からなくなる子もいます。

こどものケンカ、もめごと、葛藤、悩みもスクールでは大事な学びと捉えています。スタッフはメンバーの一員であり、こどもに対しては見守りのスタンスを取っています。スタッフが上から裁くようなことはしません。こどもと一緒にシェアし、考えていきます。同様に危険に関しても十分配慮いたしますが、怪我することもあります。それも大事な学びと考えています。保険には加入しておりますが、多少の怪我にもご理解いただけたらと思います。

Q 学習面はどうされていますか。

A:現在(2025年3月時点)学習の時間は設けておりません。スクールとしては、基礎学習は大事だと捉えていますが、スクール内で強制させることはありません。

こどもによっては所属学校の宿題を持ち込んだり、市販のドリルに取り組む子、家庭学習をしっかりやる子など様々です。もちろんこどもが希望すればスタッフはサポートを行います。ただし「この問題集をやらせて下さい」など保護者様からのご要望をスタッフがこどもに強制させることはありません。イホルラ舎では、広い意味での「学び」を大切にしています。こども自身がいわゆる「学習」が必要だと思った時には、相談にのったり、一緒に最善の方法を考えサポートします。

Q 電子ゲーム(スマホアプリ、PCゲーム含む)はどのような取扱いになっていますか。

A:スクール発足時より電子ゲームは利用可能でした。それから、何度もミーティングが開かれ、全面禁止、お昼休みだけ、〇〇さんだけいつでもOKなど紆余曲折を経て、今は「1ヶ月に1日だけ電子ゲームの日を設ける」に落ち着いています。すべてこどもが提案し、ミーティングでルール変更となりました。ゲームに否定的な意見もありましたが、「1人の時間をすごしやすいから新しい子が入りやすい」、「世代の違う子も共通の話ができる」、という点から採用されました。発生しうるデメリットをいかに抑えるか、という視点で運用ルールが考えられています。ただし今後ともミーティングによって電子ゲームの取扱いルールが変更される可能性があります。

Q 朝が弱いのですが、毎朝時間通りに来ないといけませんか。

A:いいえ。スクールでは朝の会、終わりの会が定刻にありますが、登校時間/帰宅時間は自由です。体調やリズムにより、途中から参加する子も少なからずいます。自分のペースを大切にしてください。

学校との連携について

Q 所属学校と連携されていますか。

A:はい。連携しています。具体的な内容としては、学校長や担任教師・教育委員会の視察、意見交換など実施しております。また、所属学校だけではなく、必要に応じ他の機関と連携することもあります。
出席扱いを希望する場合は所属学校長の判断にゆだねられます。今現在希望している全てのこどもが所属学校へ利用報告書を提出しながら「出席扱い」の認定を受け、通学定期発行許可を頂いています。

Q 通学定期は使えますか。

A:所属学校長の判断と申請により、実習用通学定期券が入手可能です。現時点では希望者は全て定期券が認められています。

スタッフについて

Q スタッフはどのような役割を担っているのでしょうか。

A:スタッフは共にスクールで学び合い、「スクールをつくる」メンバーのひとりという立ち位置です。具体的には、主なものとして、

  • 一緒にあそぶ、ミーティングに一員として参加する
  • こども同士のコミュニケーションの橋渡し
  • 安全を見守る
  • こどもたちの興味あること/学習/制作などにおけるサポート

が、あります。
授業を行う学校や習い事とは違うので、少しご紹介します。

[一緒に活動]

一緒にドッジボールしたり、ボードゲームをしたり、料理したりします。教えるというより、一緒に遊ぶというスタンスです。また、ミーテインング時には、いちメンバーとして参加します。

[こども同士のコミュニケーションの橋渡し]

基本的にこども同士の問題やもめごとなどは見守りますが、こどもの状態や特性により必要と判断した場合、それぞれの気持ちを整理したり、気持ちを伝えるサポートをすることがあります。その時もこどもにどうしたいかを確認して行います。またミーティングなどの話し合いの場において、様々な子がなるべく平等に対等に意見できるよう、スタッフが(かくれ)ファシリテーションを行うことがあります。

[安全を見守る]

スクールには、おとなが強制したルールはありませんが、「スタッフからのお願い」はあります。
これは、スタッフが危険度が高いと判断したことに対するもので、門や敷地から出る時は必ずスタッフに言い同行してもらう、屋根には上らない、などです。木登りや焚火、木工で刃物を使うなどは日常行いますので、スタッフは安全に配慮し、必要と判断した時は、適宜レクチャーや声掛けを行います。ですが、「安全のため、なんでもかんでも禁止にする」ことはしません。こどもたちの意欲やチャレンジするきもちを大切にしています。多少のケガはつきものですが、どうぞご理解ください。(何か不安なことなどありましたら、随時遠慮なくご相談ください)また、スタッフ間でも「安全」に対する意識は様々です。気になることがあれば、互いに情報共有し、安全に対する意識や知識を深めていきます。

[こどもへの活動提案、サポート]

活動の提案は、こどもが興味を持っている世界をより広げるため、また新しい世界を紹介したい時など適宜行います。ただし何をするのか決めるのは、こども自身です。強制はありません。またこども自らの提案は大歓迎で、それを広げたり、深めたり、ゲストを呼んだり、おでかけや遠足、取材などのフィールドワーク、手づくりマルシェをはじめイベント参加などに、様々な形でサポートします。

またスタッフが自分自身の興味に従って活動することもあります。これはイホルラ舎特有のものです。こどもの習い事などでは、こどものためにプログラムを用意するという場が多いと思いますが、当スクールはこどももおとなもごきげんもめざす場所です。スタッフがしたいこと~料理、手芸、研究、芸術活動・野外活動など~も積極的に行います。これは「まちのがっこう」としての魅力のひとつで、こどもに「教える、与える」のではなく、「ごきげんなおとなが近くにいる」ことが、こどもに伝染し、おとなが楽しく活動している姿に影響され、その分野に興味を持つきっかけになります。休日にイベント開催などもあります。

スタッフ紹介はこちら

入会について

Q 入会時期は決まっていますか。

A:決まっていません。入会したい時に入会していただき、卒業したい時に卒業します。

Q 通学できる範囲はどこまでですか。

A:決まっていません。これまで、伊都郡(橋本市・かつらぎ町・九度山町・高野町)はもちろん、紀の川市、岩出市、和歌山市、奈良県五條市、桜井市、橿原市、大阪河内長野市、柏原市などからも通ってくれています。遠方ですと通学が大変ですが、電車が好きになって普段の行動範囲が広がったりすることもあるようです。バスや自転車で通う子もいます。こども本人が安心して通えるよう何かありましたら、ご相談ください。

進路について

Q 卒業後の進路はどのようなものがありますか。

A:卒業の時期、年齢、理由が様々なので、多岐にわたります。高校へ進学、中学校へ進学、所属校に戻る、私立学校への転入などが主なものです。スクールがスタートしたのが2021年なので、今後卒業するこどもたちも増えていくと思います。それぞれがどんな道を歩んでいくのか楽しみです。こどもが希望すれば、全力で力になります。

また、大勢の人とは違う道を選んだことで、進路に不安を持ったこどもが「HappyProject」というプロジェクトを立ち上げ、様々な進路を調べたり、憧れの職業の人から話を聴いたり…ということもありました。(今は高校へ進学の道を選んでいる)「自分の未来もつくっていく」という場所ですので、スタッフも相談にのりながら、一緒に色んな可能性を探っていけたらと思います。ちなみに、中学校までは義務教育で基本的に地元の普通校所属になりますが、高校になると選択肢がぐっと広がります。学習に不安があっても、なんとかなります。スタッフの中には、小学校1年生からずっとフリースクールですごし、今ごきげんな大人になっている人もいます。世界は広いです。視野を広く持って、一緒に見つけていきましょう♪